【ネタバレあり】デスノート Light up the NEW world 二番煎じ感。初見は楽しめるかも。
映画について三言
- 面白い要素しかない題材でここまで面白くなくできるのかレベル
- 監督のデスノートに対する愛を感じない
- デスノートシリーズ初見は楽しめるかも・・?
予告・あらすじ
犯罪の無い社会を目指し、デスノートで世界を変えようとした“キラ”こと夜神月。
暴走する彼を阻止しようとした世界的名探偵“L”。
天才VS天才の対決は決着し、デスノートを巡る事件は10年前に幕を下したはずだった。
世界中のネット回線がジャックされ、“キラ”による“復活宣言”が配信されるまでは──。
映画を観るきっかけ
1.デスノート連載開始から終了までをリアルタイムで知る世代
2003年12月 - 2006年5月まででしたが、毎週毎週の展開をリアルタイムにジャンプで追っていました。毎週のように友人同士で展開を予想しあい、キラとLの頭脳戦を楽しんでいました。
今はあまりありませんが当時コラ画像や台詞が流行していたり社会現象レベルでした。そして実写映画も漫画原作では類を見ないほどの大成功。
からの今作。前作から10年後の話。そして予告にある6冊ノートという新要素。ファンならこれはもう観ざるを得ないということで鑑賞日2日前からチケットを予約しました。別記事で書きましたが、それも新宿ピカデリーのプラチナシート(5000円)という最高級の設備、環境で・・。
2.ドラマ版終了からの予告発表からこの日を待ち望んでいた
このドラマの最終回で突如デスノート映画版公開と放送されました。
ドラマ版は賛否両論ありますが、俳優の演技が印象に残るレベルでよく、このご時世で成功した部類のドラマであったと思います。特にキラ役の窪田正孝は恐ろしいくらいキラっぽかったですね。
その放送された予告がこちら。
めっちゃ面白そうやん!
感想(ネタバレあり)
0.総評
二番煎じ。
これに尽きます。原作、旧映画、ドラマ版いずれかを全て見た方には話の新規性が全くありません。それ故にデスノートシリーズを知らない方には楽しめるかもしれません。
1.トリックややり取りが全て過去作に出たもの
今作の映画で出てくるトリックややり取りは全てが過去作で出てきたものです。デスノートは予めルールが決められているため、展開やトリックの内容が似通ってしまうというのは仕方ないとは思います。ざっと映画内で覚えているトリックや手法を以下に記します。
アーマが竜崎に肩入れ
⇒レムとミサの関係
所有権放棄、キラとしての記憶喪失、キラを追う側として活躍、ノートに触れ思い出す
⇒樋口を捕まえる際に夜神月が用いた手法(有名な「計画通り」のシーン)
デスノートに既に名前が書かれていると後から書いても効果なし
⇒原作にはなかったが映画版で使用された方法
映画版デスノートが評価されている理由の一つでもあります
2.新ルール「6冊ルール」が全く活かされていない
1で言いましたトリックや手法の二番煎じを避けるためにあったルール「デスノート6冊ルール」がありました。
しかしこのルールは「7冊目以降は書いても効果がない」という事以上には何の価値もありませんでした。冒頭でも説明はありますが、このルールによって「6冊を一か所に集め保管しておけば、今後死神界からデスノートが落ちてきてもそれは効果を為さない。つまり封印ができる」ということです。
まあ封印という発想は浮かぶだろうし、集めなきゃいけないというのはわかる。
問題は映画内で各所有者が新生キラにすぐにバレて、キラが集めてしまった点。みなさんは各所有者間での争いや交渉、デスノートを巡る戦いを見たくてこの映画を見に行ったのではないのでしょうか。
そんなシーン全くありません。新生キラによる一方的なデスノート略奪だけで、頭脳戦なんてありません。これが私がこの映画を評価できなくなった一番の理由です。
3.マツダァァァアアアア・・・マツダ・・マッ・・
ただひたすらに悲しい。原作ではずーっと無能扱いされキラの考えに対する理解もあったものの、最後の最後にキメた男。そんな男が映画ではあっけなく・・。数少ないキラ事件の生き残りなんだから救いが欲しかった。
松田の雄姿を見たい方は原作よりもアニメ版デスノートをオススメします。
4.10年前のキラ事件から特に進展していない警察
THE無能
10年前とキラに対する対策がまるで変っていません。10年経過した世界ではキラ対策も万全にされており、その中でのデスノート6冊争奪戦・頭脳戦を期待していました。構図もL警察&Lvsキラ6人を予想していましたが、実際はLvsキラ。警察はただただ統治の権利を持ったポンコツでした。
5.リュークがキラに加担するのが気に入らない
原作ではキラが死神に悟られないように利用するシーンはありました。しかし今作のラストではリュークが敵のヘルメットを取るという行動があります。
「残念だが、俺に頼るようじゃお前も終わりだな」って言ってましたやん・・。ここは映画の改悪です、間違いなく。リュークはレムやアーマのような死神と違って所有者に肩入れしないキャラではなかったのではないでしょうか?
6.キラの後継者・・Lの後継者・・死神大王の後継者・・アッハイ
後継者問題
現代の農村かよ・・と思ってしまいますが、終盤にかけやたら「後継者」というワードがでてきます。この後継者については特に批判はありませんし、リュークの行動目的が死神大王の後継者という設定は良いなと思います。しかし、こんなに後継者が無能だと先代に申し訳ないです。
初代Lとキラが凄すぎたんやで・・
ちなみに原作では後継者として登場するのはニア・メロ(Lの後継者)のみです。
疑問点
1.そもそもLがデスノートを持つ経緯は・・・?
一番ストーリーで気に入らないのがこれ。映画内で一切言及されてなかったよね?それにアーマとも親密だし、ちょっとあの映画内ではここの背景が分かりません。ただでさえ6冊の行方がイマイチ映画内ではわかりにくいのに、この1冊は気付いたらLの自宅にありました。
わかるわけないよね。
2.約束の場所がそこである理由は・・?
これも映画内で言及されていませんでしたよね?突然ミサがあの場所を伝えていましたが。てっきり映画鑑賞中は、ライトとミサの共通の場所というと上画像のシーンである森林かなと思っていました。もう少し詳しい解説を頼む、映画版。
3.竜崎が死ぬ日を三島は予測していた・・?
デスノートに先に書かれてあるから死なないという話はわかった。前作にあったからね。となると三島がデスノートの所有権を放棄した時点ですでに竜崎の名前が日付指定で書かれていたということですよね?
デスノートは23日先までしか指定できません。となると23日以内にデスノートが6冊集まり、自分の手元にデスノートが戻り記憶が戻る。
本当にそこまで計画的にできる・・?それも23日以内に。んーちょっとこの設定は無理があるような気がします。天才的なキラならできたかもしれませんが、三島はそんなに天才的ではないような・・。
4.竜崎が死に、三島がキラからLとして生きる?からの計画通り
一言。「こわっ」
怖いというのは展開が怖いというのではなく、このような落ちにした監督・脚本への言葉である。すごいファンタジーで面白かった作品を夢落ちで終わらしてしまうくらい残念な落ちです。
こういう話にするなら無理に初代Lとキラを意識しない方が良いストーリーになったのではないでしょうか。
最後に
なんというか原作、デスノートの世界観が好きすぎた故に楽しめなかった映画でしょうか。デスノートには高度な頭脳戦をどうしても期待して島ます。
その期待を見事に裏切ってくれた二番煎じ感満載のデスノートでした。ラストシーン的に次作もあると思いますが、次こそは”頭脳戦”を期待しています。