【ネタバレあり】 聲の形 超オススメ!痛い所をついてくる良作。良い脚本、物語!そして泣く!
聲の形(3.6点)
物語:4.5、配役:3.5、演出:4、映像:3、音楽:3
聴覚障害者に対するいじめとそれにまつわる物語(今まで無かった系統の話)
映像は「君の名は。」と比べると見劣りするがこの映画は脚本が秀逸
テーマは「いじめ」と「友情」と「障害者の在り方」でしょうか。
西宮硝子が転校してきたことで、小学生の石田将也は大嫌いな退屈から逃れる。しかし、硝子とのある出来事のために将也は孤立し、心を閉ざす。5年後、高校生になった将也は、硝子のもとを訪れることにし……。
今回はいろいろ語りたく、ネタバレ全開です。
まだ観ていない方は是非映画館で観てほしい。「君の名は。」より断然面白いので!
内容・感想
本作品には原作があるのだが私は全く知らず映画を観ました。
まず見終わって一言、「心の中えぐられるような話やった・・」
予告を観て聴覚障害者(西宮硝子)といじめっ子(石田将也)でどうせみんな仲良く終わってハッピーエンドなんやろと思ってました。
結果的には間違ってはないんですが途中の過程が想像を絶する脚本でした。
話を簡単に言うとこんな感じですかね。(最後まで含む)
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小学生のときに転校してきた聴覚障害者をいじめにいじめまくって主人公が干される。逆に自分がいじめられる立場となり、周りとの友情関係も崩壊。このとき、謝罪として主人公母がお金を西宮さん母に渡す。謝罪から戻った母は耳から血が出ていた。
そして5年後人生を終わらせようと自殺しようとするも、聴覚障害者のことを思い出す。そして罪滅ぼしが始まる。
再び会おうとするが聴覚障害者の妹(西宮結弦)に阻まれるが、学校で新たにできた友達(永束友宏)に協力してもらい再会を果たす。この永束くんと仲良くなったのは彼がいじめられている現場を主人公が救ってくれたから。(いじめられっ子にとっては救世主)そうして小学生の同級生とも和解?が進み、友達も段々増え、昔のような友達と楽しく遊ぶ日々を過ごせていた。
しかし高校で自分が過去にその聴覚障害者をいじめていたことが知られ自暴自棄になる。せっかくできた友達も失い、いつのまにか西宮さんしか居なかった。西宮さんと夏休みを毎日のように過ごし距離を詰めていった矢先に、花火大会の日が訪れる。西宮さんは自身のせいで主人公が友達を失うことに至ってしまったことに罪悪感?を覚え自殺しようとする。間一髪、主人公が西宮さんを助けるが、助けた反動で自身がマンションベランダから落ちて入院する。
(ここからの展開が非常に面白いし映画を観てよかったと思える)
病院で西宮さんの母と妹が主人公母に土下座で「娘を救って頂きありがとうございます、ごめんなさい」と。西宮自身も「ごめんなさい」と。
ここから西宮さんの”自分が壊してきたものを取り戻す”物語が始まり、退院後の主人公とともに立ち向かっていく。文化祭で失ったと思っていた友達とも和解し、主人公は今まで苦手となっていた他人への興味を取り戻し、周りの”聲”が聴くように成長したのだった。
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なんだろう、映画中で疑問に思った事に対して誰かが必ずツッコミを入れていた(主に植野)ので話は非常にまとまっている。いじめに対する罪滅ぼし、偽善だの、西宮さんがいなければ私たちは昔のままでいられただの・・・。
この映画の良さはフィクションでありながら非常に共感するところがあり、また普段言えないような痛い所をついてきて考えさせられる点でしょう。”障害者の立ち振る舞いのせいで全員が迷惑している”とか、西宮の自殺に関して”あなた自身の勝手な都合で考えるな”とか。。。
この映画は通じて、”自分のした事の重大さ”が後々になってわかるという場面が多い。小学生の頃に謝罪にいった母親が血を流して戻ってきた、いじめのせいで友人を失い自分がいじめられるようになったこと、自殺をしようとして助けられ迷惑をかけたことがわかった等。
友達に関しては、永束友宏みたいな友達、親友が居るといいなと思う。結局は友達なんてう上辺で付き合っている人数ではなく、本当に心から分かり合える”友達”がいるかどうかだと私は思う。”友達”って何なんだろうと考えさせられた。
非常にテーマの深い映画であったし、話題中の「君の名は。」の中身スカスカなむねきゅん脚本なんかより数倍良いと思う。
配役
西宮硝子の声優である早見沙織を評価したい。本当に聞き取りにくく、障害者らしい声でした。
植野がとある魔術の佐天さんにしか見えなかったのは私だけでしょうか(笑)
演出・映像・音楽
どうしても同系統の「君の名は。」と比べると見劣りする。
とはいっても京アニ。まあ並といったところでしょう。
総評
テーマの深さ、脚本が秀逸。
泣ける。本当に泣ける。
ツッコミは特にない。
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